言霊百神│犠牲①

話が少し脇道に入るかも知れないが古代宗教の祭典に犠牲(生贄)という行事がある。犠牲と云う文字が示す通り古代支那やギリシャの祭典では牛を殺し、そしてユダヤ教のエホバの祭典では羊を殺して、祭壇の上でその肉を割き腸を露出して血を流す。特にエホバに対しては羊の燔祭を行うのである。是等の行事はもとより咒事であって、ウシ(牛)はウ言霊(有、相)すなわち人間の五官感覚の対象となるすべてのものの象徴である。その牛を犠牲にして解剖すると云うことは万有を分解分析する意味であって、すなわち感覚が捕えた対象を所謂科学的に研究することである。牛や羊を殺して解剖すると血が流れ出る。その血が道であって、すなわち解剖によって牛を構成する万有の道理が発見されるのである。
エホバの祭典の場合は少しく趣きを異にして、牛の代わりに羊を殺す。羊は神の子羊、羊は神に従順忠実な宗教者に喩えられている。その神の子羊に死を要求することがエホバの特異な神格であり、同時にユダヤ教の特徴でもある。それは羊飼いの弟アベルを殺した兄のカインの子孫が却ってエホバの祝福を受ける理由でもあり、やがてイエス・キリストが十字架に血を流さなければならぬ理由でもあるのである。この犠牲と云うことの意義が理解されると世界を経綸しつつある者の意図の表裏、すなわち歴史の両面が判って来る。以上を前提として迦具土神が斬られて流れ出る血(道)の解釈に進む。

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