言霊百神│黄泉国⑰

やがて(即ち)予母都志許売(よもつしこめ)を遣わして(、)追はし(め)き
志許女は醜い女、女はすなわち文字であり、醜い女とは言葉の原理と一致しない、仏教的に云ったら三十二相八十種好が円満具足していないところの文字である。『日本書紀』には「泉津醜女(泉津日狭女)八人を遣わして」「時に伊弉冉尊、張満れ大高へりまして上に八色の雷公ありき…是の時に雷等皆起ちて追ひ来る」とあるから「八くさの雷神」と「予母都志許売」とは同じものである。
黄泉国の文字が追って来たとて何のこともない様だが、雷はまた音であり声であり言葉であって、その黄泉国の文字によって写し現れされた外国語であり、宇宙生命の根源から原理を以て創造された麻邇名とは相違する不完全な言語であり、同時にその不完全な言語文字によって組立てられたところの、主としてウ言霊に根拠を置く外国の様々な思想が八雷神、黄泉醜女の正体である。こうした者達が若い伊邪那岐命を虜にしようとして追って来たのである。