言霊百神│黄泉国⑱

かれ(爾、)伊邪那岐命、黒御鬘を(取りて)投げ棄てたまひしかば、乃ち蒲子(えびかつらのみ)生りき
鬘は書いて連ねたもののことで、音図の特に上段のア段(天児屋命)の言霊の連なり(筒の男)をかつらと云う。仏教の華鬘に当る。頭に巻いて頂く心の装いであり、すなわちこれは古代ギリシャのLaurell(桂冠)でもある。「日陰の鬘」「三室の山の真鬘」などの名で呼ばれ、またその言霊の連ね方にも種類がある。「天津太祝詞音図」と「天津金木音図」では母音の樹て方もちがうが、父韻の配列もちがう。
黒御鬘は陰性の闇い方の音の連なりで、ヤマラナの四音(四行)である。これを醜女に投げたら蒲子になった。えびかつらは知慧の言霊の書連であって、これは結局、高天原の麻邇の原理の半分を投げ与えたこととなる。

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