言霊百神│絶妻の誓⑩

「(主の言葉、天使の長達に向って)さてお前達本当の神の子等は、生き生きした豊かな美しさを見て楽しむがよい、永遠に製作し活動する生々の力が、愛の優しいしがらみをお前達の周囲に結うようにしよう。お前達は揺らぐ現象として漂っているものを、持久する思惟で繋ぎ止めて行くがよい」(『ファウスト』天上の序曲)
ゲーテのこの言葉は精神界の結界と云うことの意義をよく現わしている。その結界は言霊アの発露である愛を以て結い廻らされると説くのがキリスト教である。天使達(菩薩)はそのしがらみの中で「阿弥陀仏五劫の」思惟を続けて行くのである。変化して止まぬ現象を持久する思惟もて繋ぎ止めることは言霊オの活らきであって、これを生命の玉の緒と云う。だが言霊アの領域を言霊オだけで結んで以て結界とすることは詩人であり科学者であり宰相であったゲーテ自身の結界であって、それだけが人間の思惟、種智の全部ではない。