中国秘伝ひとりあんま気功⑧

気は経絡のなかを運行する
 気の流れるコースを、「経絡」といいます。また、経絡ぞいにある要所を、難しい言葉でいえば「経穴」、平易な言葉で言えば「ツボ」といいます。
 気は一定の法則のもとに、定まったコースをめぐっているのですから、電車にたとえてみると、もっとわかりやすくなると思います。
 すなわち、気が電車に乗った乗客だとするなら、経絡は電車がはしる線路で、ツボは電車の駅です。駅で人々が乗り降りするように、気もこのツボという駅で出入りすることができるのです。ですから、ツボに気を集めたり、手からツボに気を送りこんだりすることも可能になるのです。
 電車に本線と支線があるように、経絡にも主要な経絡とややローカルな経絡があります。
 電車の本線にあたるのが「経脈」です。この体内の本線は、全部で十二本あります。そのうちわけは①肺経、②大腸経、③胃経、④脾経、⑤心経、⑥小腸経、⑦膀胱経、⑧腎経、⑨心包経、⑩三焦経、⑪胆経、⑫肝経の一二経で、いずれも名前をとった体の器官と密接な関係があります。
 どの器官も名前のついた器官をとおっていますし、その器官の状態がその経脈における気の流れに反映され、逆に経脈を刺激すると、その器官の状態にはねかえります。
 かりに、先天の本である腎を例にとると、腎の気が不足し、腎の機能が衰えると、腎経と呼ばれる経脈の気の流れが悪くなります。そこで、ひとりあんまを行い、腎経のツボを刺激すると、腎の機能が活発になるというふうに、腎と腎経という経脈はたがいに影響し合う関係にあるのです。
 一方、電車の支線にあたる経絡を、「絡脈」といいます。経絡という言葉は、経脈の経と絡脈の絡からとった名称です。つまり、本線である経脈と支線である絡脈を総称して、経絡と呼んでいるのです。

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