(5)血液成分
蘇州医学院祖国医学教研室
一〇例に対して、鍛錬の前後一時間に赤血球数を測定した結果、平均二六・七万個増加することがわかった。
唐山市気功療養院
一〇〇例の入院患者で気功鍛錬を行っていた者は、退院時ほとんどの者にヘモグロビンの増加がみられた。増加量は〇・五~二・五gだった。
北京市中医医院
一~三か月間鍛錬を行った患者八例について、そのうち六例に血小板の増加がみられた。最も多い者で六万八千、もっとも少ない者で五千、平均三万九千の増加だった。
上海第二結核病院
二か月間の鍛錬を行った結核患者二三例のうち、二〇例(八七%)は赤血球沈降速度が正常範囲に回復していることが認められた。三例だけは促進を示した。
重慶医学院生理教研室
鍛錬を行った一二例中、一一例に血中の好酸球の増加がみられた。血液一立方ml中に平均五六個増えており、これは鍛錬前比三三・三%増である。一例だけが減少していた(うまく入静できない患者であった)。
六例の患者の中で、よく入静状態を保つことのできる五例に、白血球の食作用能力および指数の増加が認められた。食作用能力は四〇%、食細胞指数は九九・三%の増加だった。一例だけが減少した。(うまく入静できない患者)。
鍛錬後に赤血球とヘモグロビンが増えるのは、気功の腹式呼吸が肝臓と脾臓を按摩することにより、そこに蓄えられた血液が全身の血液循環に加わるためかもしれない。
好酸球の数が増加するのは、副交感神経系の機能の亢進によるものと思われる。
白血球の食作用が活発になることは、気功を鍛錬すると生体の防御機能が高まることを具体的に裏付けるものである。
気功の鍛錬が、異常な赤沈およびその病気の病理機転に、よい調整作用をもたらすことは、神経系の機能の変化とも密接に関係していると考えられる。