気功の方法…呼吸の鍛錬①

(1)呼吸鍛錬の重要性
 呼吸の鍛錬は、古い時代では吐納と呼び、すべての鍛錬のなかでもキーポイントとなるものである。私達は四六時中絶えず呼吸し続けている。これは古人のいうところの「一呼一吸は一息であるが、呼吸をしないのも一息」である。これは、普段は呼吸することには注意を払っていないこと意味している。しかし、気功の鍛錬を行うときには、意識的に自己の呼吸をコントロールすることに注意を払い、絶えず体得するように努め、自分の身体の状況に合った呼吸法を把握する。これがつまり呼吸の鍛錬である。古人はこれを錬気(気を練る)、調気(気を整える)、養気(気を養う)調息(息を整える)などともいった。
 生命をもつものは、動物にせよ、植物にせよ、呼吸活動と離れることはできない。もし、酸素を吸い炭酸ガスを吐き出すこと、つまり古いものを吐き出し、新しいものを取り入れて絶えず新陳代謝を行わなければ、生命は途絶えてしまう。呼吸の停止は生命の終結を意味している。人は万物の霊長であり、生理的な働きからいえば、他の動物とは異なり、思惟活動がある。このため、長期間にわたる生活と生産実践のなかで次第に大自然と自己を認識し、そこから各方面における法則性を把握し、それに適応し、改造し、その内在する能力を発揮させてきた。呼吸も同様である。人の呼吸活動は自律神経系統により支配されているので、半直接的に呼吸をコントロールできる。つまり、意識的に呼吸を速めることも、遅くすることもでき、深くすることも浅くすることもできるのである。しかも、呼吸活動は、人体各方面の生理に広く影響を与える。意識的かつ合理的に呼吸を整え、ある種の呼吸法を選択し、そのことにより生体の各方面に対する影響を強めたり弱めたりして、生体全体の機能を調節することは想像にかたくない。したがって一部の疾病の治療にかなり良い効果を収めることは完全に可能である。