気功の方法…意念の鍛錬①

(1)意念鍛錬の重要性
 気功における意念鍛錬とは、まず練功者が注意力を身体または一部の選定された部位、あるいはある種の事物にいかに集中しうるかということである。二番目には、静かに練功を行いながら、絶えず雑念を追い払うことによって、身体の各部の状態を体得することである。三番目には、意識的に継続して調整を加えることにより、意識の能動的な働きを発揮させ、より優れた練功の効果を得るようにすることである。以上の三点が意念鍛錬の内容である。
 意念の鍛錬は、静功鍛錬におけるキーポイントである。なぜならば、姿勢の鍛錬、呼吸の鍛錬はともに意識に導かれて行われるからである。もし、意念集中・運用できなければ、姿勢が正しく呼吸鍛錬がうまくいったとしても、それはすべてそらごとである。意念の鍛錬は古代では調心、凝神、存神と呼ばれた。神とは意であり、その重要性は『摂生三要』の中で次のように書かれている。「精を聚(あつめる)には気を養い、気を養うには、神を留める。神が気にとっては、母と子の関係である。それゆえ、神を凝らせば気は聚まり、神が散じれば気は消えてしまう。もし、精気を惜しむあまり神を留めることを知らなければ、その華(表面に現れるもの)を食べて、その根(根本のもの)を忘れてしまう」とある。ここでは精、気、神の三者の中での神の果たす役割の重要性を強調している。

2024年4月
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