東洋医学.20

証とは

 鍼灸院や漢方医院などに行くと、現代医学の病院や医院とは違った東洋医学独特の診断が行われることがあります。その特徴的な診断が四診です。
 四診とは、望診、聞診、問診、切診という4つの診断を組み合わせるて、患者の状態を診る方法のことです。四診で得た情報に陰陽論、五行論、蔵象学説、経絡学説などの理論を組み合わせ、患者の五臓六腑や気・血・津液、あるいは気そのものの陰陽の状態などを判断し、得られた総合評価から証といわれるものを決めます。
 例えば「虚している臓腑はその臓腑の母となる臓腑を補う」などの治療法が自然と決まります。すなわち証を決める事が最適な治療法を確定する重要なプロセスなのです。
 治療に必要な情報を効率的に収集し、患者それぞれについて的確な治療方法を採用できるようになるのか説明します。
 まず、患者が治療室に入ったときから、施術者は患者の見た目やや動きなどを見て状態を観察しています。(望診)。続いて問診を行い、患者から直接症状を聞きながら、同時に望診、問診も行います。(このとき、脈拍を測ったり、腰痛などの場合はその場で身体を動かす検査を行ったりします)。さらに症状によっては脈や腹部を切診して状態を診ます。これらの情報を総合して、施術者は証をたて、証に基づき療法を決定します。この証を立てるのは高度の知識や経験が求められます。

2024年4月
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