Q… 「善玉コレステロール」「悪玉コレステロール」というのがよくわからないんです。どういうことなんですか。また、コレステロール降下剤というのがあるそうですが、それはどんなものですか。
A…コレステロールは複雑な経路をたどって体内を巡っていますが、その働きをコントロールしているのが肝臓です。肝臓は血中からコレステロールを取り除いて、胆汁の中に分泌します。その胆汁が小腸の中に入って、脂肪の消化を助けるわけです。胆汁の中のコレステロールは腸から再吸収されて、また血流に乗って全身を巡ります。血液に入ったコレステロールは、リポタンパクというタンパク質に包まれた格好で全身を巡るのです。(リポとは「脂肪」のことです)。そうして循環しているコレステロールのタイプのひとつにLDL(低濃度リポタンパク)があり、それを「悪玉コレステロール」と呼ぶことがあるのです。動脈壁を傷つけるからです。一方、HDL(高濃度リポタンパク)というものもあり、これが{善玉コレステロール」です。HDLのうちのいくつかは動脈を損傷から守る働きをします。
したがって、摂取した総コレステロール量を知ること以外に、その内訳、つまりLDLとHDLの比率も知っておく必要があるわけです。血中総コレステロール量は一八〇(血清1dlあたりのミリグラム数)以下に抑えてください。でもHDLのほうがLDLよりも多い場合は、総量が一八〇を超えてもかまいません。総コレステロール量が非常に少なければ…まあ、一四〇以下ぐらい…、HDLとLDLの比率も気にする必要はありません。