気功に関する問題│偏差.2

(3)外動不己
練功、主に静功を行うとき、身体の揺れ動く現象が現れることがあるが、これを「外動」または「震動」「動象」ともいう。
①外動の状況
②外動に対する見方
③外動不己の矯正
外動不己が始まると練功者は一日中動きを止めることができない。
ⅰ練功を停止し、緊張した意識や情動を解きほぐし、意識を外に向ける
ⅱ全身をリラックスさせるように努め、筋肉の緊張を解く
ⅲ立式の下押式を行い、両手の10本の指を思い切って開いて伸ばし、緊張を指から指先の誘導集中させてから、腕を振り、手指を揺すって動かす。
ⅳ指導者は、自分でコントロールできない状態が現れたら、突撃法を用いる。つまりその人の背中を突然叩き、大声を出して停止させる。
ⅴ針灸、推拿治療を組み合わせる。
(4)走火
火とは、練功中における用意のことであり、用意により呼吸を把握することが、火候である
①走火の原因
昔の人々は火候を文火(トロ火)と武火(強火)に分けた。微弱な意念と柔和な呼吸を用いることを文火という。強烈な意念と力の入った呼吸を武火という。武火は発動の働きがあり、文火には温養の働きがある。
②走火の矯正
ⅰ静功を停止し、注意力を外に向け、外の風景を多く見るようにして火をけす。
ⅱ六次訣、とくに嘘、呵、呬の字訣に重点に置き、火を散らす
ⅲ攪海咽津を多く行い、滋陰降火をはかる。
ⅳ退火功を行う。
ⅴ操八卦のような動功を行う
ⅵ気功指導者の叩打法を行う
ⅶ針灸、推拿。
(5)入魔
魔とは、練功中に幻景(現実ではない情景)が生じることである。幻景を本物と信じると、精神錯乱や狂躁がひきおこるか、精神病患者になってしまう。
①入魔の状況
古人は、入魔の原因は練功の不純だと考えた。つまり雑念がまだ完全に消えていないのに無理に入静すると、入静の過程で雑念がまた現れ、いろいろな幻景に変わるのである。
②魔景に正しく対処する
入魔は幻景を本物と信じることからおこる。対処法は、逆らって行うことであり、信じないことであり、気にかけないことである。
③入魔の矯正
矯正は以下のいくつかの方法を試みること。
ⅰ練功を停止し、外部叩打法を用いる。理解できるように説得する。
ⅱ針灸、推拿。
ⅲ精神病患者には、症状に応じて処理する。
ⅳ清代の張石頑『通氏医通』の中で言及している処方を参考にする。入魔走火には黄耆建中湯、天王補心丹を加減して用いる。

2024年4月
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