大周天の鍛錬③

5.八脈を通じる
李時珍は『奇経八脈考』の中で、八脈が丹家功夫のなかで果たす作用を強調して、「陽維脈は一身の表を主り、陰維脈は一身の裏を主る。しかがって、これを乾坤という。陽蹺脈は一身の左右の陽を主り、陰蹺脈は一身の左右の陰を主る。しかがって、これを東西という。しかがって、これを南北という。帯脈は諸脈を横に束ねる。しかがって、これを6合という。医家が八脈を知れば、12経脈、15絡脈の大要を得る所以である。また。仙者が8脈を知れば、龍虎の昇降、玄牝の幽微の秘訣を得る所以である」と論じている。大周天を行う中で、精気(暖気の流れ)が通達する経路が人によって異なるために、8脈に沿って走行する場合や、その他の、1、2本の経脈に沿って走行するだけの場合もある。また、時には12正経の中のある幾本かの経脈に沿って走行することさえあり得る。だが、いずれの場合も、すべて大周天と見なされる。

6.意守する部位
丹書の述べるところみよると、大周天は第二段階の練気化神にあたり、意守すべき部位は中丹田の絳宮であるとされる。しかし、実際においては、意守するのは依然として下丹田である。

7.九返七還
周天でいわれる「九返七還」説は『周易参同契』を出典としている。この解釈の仕方をめぐっては、丹書の中でも諸説紛々としている。九返七還とは、実際においては、周天における上昇と下降の問題にほかならない。『金丹四百字』序に「心火で金を鍛錬し、本に返り元に還る、これを金丹という」とあるところから、大周天以降の継続する周天の運行を意味すると解釈できる。数字だけに眼を奪われると、理解しにくい。

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