西野皓三│人工知能できない①

なぜ、人工知能は実現しないのか①
人の脳、その中でも一番外側にある大脳新皮質こそが、人間の知性の対象であると言われています。それは他のあらゆる動物と比べ、ヒトの大脳新皮質が、その質と量において、群を抜いているからです。
ヒトの大脳新皮質の主な働きは、コンピュータとたいへんよく似ています。膨大な量の情報をインプットして必要に応じて解答を出してくるのです。
この人間の大脳新皮質を真似て、人工の脳(大脳新皮質)を作ろうとしたのが、人工知能の研究です。コンピュータ学者は、単に計算能力に優れたコンピュータではなく、人間の脳のように判断能力や推論能力、さらには創造的なアイディアを生み出すような人工知能を開発しようとしました。大脳生理学を研究し、コンピュータのマイクロチップにその仕組みを移し替えようと努力したのです。
しかし、これだけコンピュータ・テクノロジーが日進月歩で発展しているのに、遅々として人工知能の研究は進みませんでした。「人工知能の父」と呼ばれるマービン・ミンスキーは、高度な高等数学の問題を解く人工知能を作ることに成功しましたが、日常の生活に必要な、広範でフレキシブルな判断能力という点では、小学校入学前の幼児の能力に遠く及びませんでした。
もちろん、コンピュータですから、たくさんの情報を記憶できます。百科事典何セット分もの内容、いや、大きな図書館の蔵書をまるごと記憶することだって、いとも簡単にできます。オセロやチェスでは、名人もかなわないコンピュータも開発されています。

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