古歩道│無保険者の人体実験②

なぜ4600万人もの無保険者がいたのか?②
この強みを活かすべくアメリカ政府は、アメリカで認可を受けた医薬品を世界中で認可しろ、と圧力をかけている。これに呼応してアメリカの医薬品業界が提唱しているのが「EBM](エビデンス・ペースト・メディシン/実証的な医学)である。これは医薬品の使用に対して、きちんと科学的根拠に基づく実証をすべき、という考え方で、一見、悪くない考えに思えるだろう。しかし実態は違う。アメリカメーカーが推奨するEBMは、要するに治験の量をこれまで以上に増やし、あらゆるバリエーションで臨床試験を行って統計データで実証しないかぎり、正式な医薬品とは認めるべきでない、という主張なのである。
このEBMの厳格化は、アメリカ医薬品メーカーにとって、非常にメリットがある。新薬開発競争を研究ではなく、単なるコスト競争にしていけば、巨大企業が圧倒的に有利となる。中小メーカーは、事実上、新薬が開発できなくなるのだ。また、EBMの厳格適用で治験数が増えることは、アメリカのメーカーにとって実に都合がよい。治験数とスピード処理は、アメリカのメーカーが最も得意とする。そうして他社の医薬品を締め出すことに成功すれば、その分野の薬を独占できる。世界中の医療機関は、アメリカのメーカー巨大メーカーの医薬品を使うしか選択肢はなくなるのだ。そうなれば、あとはやりたい放題。開発コスト上昇分を薬価に上乗せ、世界中で独占販売してぼろ儲け、と。
アメリカは、まっとうな医療体制を潰し、巨大な医薬品メーカーを手に入れた。まっとうな国民の健康を差し出すことで世界の医薬品を支配することに成功したのだ。
「本末転倒」。そんな言葉が脳裏に浮かんでいる。