古歩道│日本医師会②

日本の医療を「殺した」犯人②
医師会はここからして違うのだ。ボスの命令に一糸乱れぬ組織力を誇っている。上意下達が徹底され、医師会の会長の命令を忠実に実行する。その意味では「日教組」(日本教職員組合)のような労働組合に近い。しかし労働組合が高い組織力を持つのは集団にならなければ雇用主(企業)側に対抗できないからで、言葉は悪いが、弱いから群れている。
医師会は病院のオーナーや開業医の団体である。本来ならストライキをする側ではなく、される側であろう。ここも医師会の異常性を物語っている。
献金額にせよ、動員力にせよ、建設業界などの企業を母体とした業界団体とは比べようもあるまい。エリート意識丸出しの医師たちがどぶ板選挙に協力するはずもなく、医療行政に影響力を行使できるほどの政治圧力を持っていること自体、繰り返すが、本当ならばありえない話なのである。
そう、「ありえない」。日本医師会を一言で語るならば何もかも「日本的」ではないのだ。国民の生命を守るべく存在している「医療」を盾にストライキを決行、自分たちの我欲を要求する。「医は仁術」という日本人の価値観からすれば絶対に許されない行為のはずだ。単なる個人事業主の親睦団体が政治に介入し、行政に口出しするのもやはり日本的ではあるまい。日本人の感覚からすれば、政治を介入させない、政治と距離をとるのが、こうした団体の特徴ではないか。むしろ、欧米型の組織というほうがピッタリとくる。
それもそのはずだ。日本医師会は「医療ギルド」だからである。前章でギルドは「職能騎士団」と紹介した。騎士団が領土を拡大するために戦うように、ギルドは利権拡大を目的に軍隊のごとく闘う。当然、日本医師会は、開業医の利権拡大のために戦うことになる。戦えるように組織化してきた、というほうが正確だろう。
この日本医師会の登場が、日本の医療に大混乱を招くことになる。
日本の医療を「殺した」犯人だった。
人殺し医療を作り出していった「インテリヤクザ」だった。