古歩道│米国と731部隊④

フォート・デトリックと731部隊の関係④
朝鮮戦争勃発でアメリカ軍向けの輸血用血液製剤や輸血用血液の需要が拡大するのを見越して、「売血」で日本人の血を集めた、文字通り、人の生き血を啜る「吸血会社」。創業からすぐに自衛隊(当時は警察予備隊)など軍用の大口ルートを次々と開拓、輸血用血液や血液製剤の分野でまたたく間にトップシェアを取った製薬メーカーでもある。
創業者は内藤良一という。1930年代、陸軍軍医中佐として、戦争前夜、ドイツ・ゴッホ研究所とアメリカ・ペンシルバニア大学、さらにロックフェラー財団に遊学しながら細菌兵器や化学兵器(毒ガス)の研究をしていた人物でもある。
そしてサンダース退役中佐の勧めで作った内藤の会社「日本ブラッドバンク」は、社会的な売血批判を受けたことで、1964年、改名する。
説明は必要ないだろう。それが「株式会社ミドリ十字」なのである。
内藤良一は陸軍軍医中佐として、終戦まで新宿区戸山の陸軍医学校に所属していた。
「大量の人骨は人体実験?旧軍医校の跡地調査へ」(『読売新聞』2010年2月4日)
その陸軍医学校跡地には、35体の大量の人骨が発見された。この軍医学校には、731部隊(関東軍防疫給水部)の上部機関である防疫研究室があった。専門家の鑑定でもドリルやノコギリで加工された跡も見つかっており、厚労省は2001年、「軍医学校の人体標本の一部である可能性が高いが、731部隊との関連は不明」とする調査結果をまとめたが、市民団体は「人体実験の被害者の可能性がある」と騒ぎになった。
こうした経緯から内藤良一は、731部隊の幹部と目されていたのである。なにより共同経営者であった二木秀雄、野口圭一、さらに北野政次にいたっては陸軍軍医中将で731部隊の第二任部隊長なのだ。
ミドリ十字が731部隊の作った会社で間違いではなかった。

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