古歩道│アヘン戦争の真実①

さて、話をフレクスナー・レポートに戻そう。
医療支配を目論むロックフェラーに提案されたアイディアは、わかりやすくいえば「アヘン」をビジネスモデルにすることだった。
アヘンはケシの樹脂を固めたもので、その麻薬効用は人類史の始まりととともにあったぐらい長い歴史を持っている。そのアヘン史における一大転機となったのが、1804年、モルヒネの発見であろう。ドイツ、当時はプロイセンの薬剤師フリードリヒ・ゼルチュルネルはアヘンから薬効成分「モルヒネ」の単離に成功。ここに化学薬品の歴史が始まる。
薬品となれば、開発した企業がパテント(特許)の権利を得る。自然由来で誰でも利用できた薬草を化学的に合成することで企業が独占販売できる。つまり、「医薬品ビジネス」が、このとき、誕生したのだ。
次に1840年、アヘン戦争が起きる。
アヘン戦争は、現在の中国であった清国との貿易赤字に悩んでいたイギリスが、清政府の禁じていたアヘンの密貿易に手を出した結果、始まった戦争とされている。間違いではないが、正しくはない。このアヘン戦争の本質は、経済侵略戦争だったからである。

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