言霊百神|創造意志(子音)⑤

『古事記』はすべて人間に顕われ、人間に自覚され、人間の内容と仕業として活動している生命の知性の真理を説いている。その真理の内容の一つ一つを夫々の神又は命と云うのである。人間の存在とは無関係に超絶して宇宙に存在する如く考えられる不可解な神秘的な大きな何者かを『古事記』が神と称しているのではない。そうした不可解、不可知なものを信仰したりしておろがむことはその人の自由であるが。然しそうした観念や信仰は真理として取扱うことが出来ない。簡潔に云えば『古事記』は精神としての人間学である。この事を度外視したならば真理として『古事記』を学ぶ価値も必要もなくなる。ところでイ・ヰ二音は男女夫婦の如くに交流して子音を産む音であるから特にこれを親音(武智時三郎氏の説に従う)と云う。

2024年4月
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