岐美二神の嫁ぎの道すなわちイヒチシキミイニヰ(言霊イとヰ)の交流の道をイの道(ち)(生命)と云うが、このイの道の活(はた)らきは地の上に低く展開する。この展開した没慈味の地の様相が、次で天之御柱であるアオウエ(イ)を自由に上下して、人間の他の四つの情的知的先天性である感情(ア)、悟性(オ)、感覚(ウ)、理性(エ)に作用して、これと結び付く時、夫々、芸術、科学、産業、道徳と云う第二次的な文明文化の内容が創造される。イの展開する実相が天之御柱の頂上(ア)に登った時が天国(極楽)である。この天と地を自由に往来する道を「天橋立」と云う。この橋立は現在地に倒れて横たわっている。土台であるイが判らなくなったからである。
アオウエの四智はやがて人それぞれによって独特の現われ方の型を示す個性的個別的なものとなって行くが、その根源であり根底である先天性の本源的発現活動の中枢であるイ(布斗麻邇)は没慈味のものであり、個人の個性以前のものであって、それよりも一つ先の人類そのもの、人間全体の個性であり、この人類全体の個性は歴史と民族と国家と時間と空間を通じ、ないし慣習や思想やイデオロギーの如何に拘わらず普遍であり共通のものである。
斯(か)くして布斗麻邇は宗教的には下座の行、地獄行、すなわち下津磐根の実践把握である脚下照顧によって初めて体得される創造の原因、原理、原律であって、芸術、科学、哲学等の文明現象が発現する以前の、先天そのものの純粋活動の世界、すなわち人間の方からいうならば、所謂、純粋経験の世界が布斗麻邇の世界である。此の先天の活動を言語の活動として正確に把握表現したものが五十音図言霊である。
言霊百神│布斗麻邇の所在⑤
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