言霊百神│子音の意義②

前者を生命の樹(き)、後者を知慧の樹と号(なづ)ける。古代エジプトやギリシャではこれを相対する二本のオベリスクに象っている(高坂正顕『神々の誕生』)。儒教説話ではこの両樹を扶桑樹と若木(屈原『離騒(りそう)』)と云い、印度では沙羅双樹と云う。神道ではまた高御産巣日神(たかみむすびのかみ)神産巣日神(かみむすびのかみ)と云う。各々名前は異なるが同じ事柄を指しているのである。両樹は実在する万有の母体であり、まだ現象せざる内面的存在であり隠神である。
宇宙間の万有はこの主体と客体すなわち岐美二神の産霊(むすび)によって生まれる。この時この結びの媒介をなすものは精神的すなわち主体的に現象を自覚する内面的な知性発現の契機(きっかけ)である脳神経の波動としての識、念波、霊波であり、また物質的すなわち客体的には現象発現の律である音波、光波、電波、電磁波、放射線である。斯うした心にもあれ物にもあれ宇宙のあらゆる生命的波動を宗教上では無礙光(むげこう)、無量寿光(むりょうじゅこう)、瑠璃光(るりこう)などと云い、或いは甘露法雨(かんろほうう)と云い、その中で特殊にして顕著な精神的なものを聖霊とか天使などと云う場合もある。またその波動のリズムの面を称して「天浮橋」と云い「虹」と云い、或いは「千鳥」と云い「時鳥(ほととぎす)とも云うのである。

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