言霊百神│島生み⑩

『易』の河図洛書はいずれも五を中心とする。知性顕現の原律である八父韻はこの第五のイ(ヰ)の内容として発現する。
天比登都柱はイを根底として天頂から地底を貫いて、今此処の法界の「中今」に立っている。これを同じく柱に象徴したものがオベリスクであり、これを塔に造ったものがピラミッドであり、須弥山でもある。高千穂峰を形造る中心の心棒である。すなわちイ言霊は縦に宇宙の次元を貫くものであると共に、その一番低い底辺(下津磐根)の所から横に実相の変化である時間、空間の相の変化を生み出す淵源であって、換言すれば天比登都柱は天之御柱の意義を貫くものであると共に、天沼矛の意義を発現する根拠である。すなわちイ言霊はイの道である生命の実体であり、母音と父韻の両性を具備するところの親音であり、布斗麻邇の実体であって、『易』ではイ言霊の活動を「大行」と云う。
以上、天之御中主神以下の五段階の宝座である五つの島は先天(天名)である天津磐境の内容である父韻、母音、半母音、親音を整理して、併せてその発現段階を明らかにしたところの法界の締めくくりであって、『易』の太極図(河図洛書)はこの五島の数的解釈に他ならぬ。この五島を更に幾何学的な図形に現わす時理解のよすがとなるだろう。

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