火之夜芸速男の火は言霊、夜芸は夜見(読み)の国の芸術で、すなわち文字のことである。その神代文字は一字一字言霊が炫(輝)いているからカガビコと云う。例えばカと云う表音文字は神、頭、柿、金、笠、糧、軽等の様々な意味に輝いている。
太古の神代文字は粘土盤の上に書き記されたものであって、すなわち所謂clay-tablerである。迦具土は書く土の隠語(かくしことば)で、また輝く土の意味でもある。「天の香具山」「常世の国の香久の果(このみ)」等すべて香具、香久、隠は書くことで、文字のことである。「常世の国の香久の果」とは漢字のことである。粘土盤は初めは乾いた土のままだったが、後にはこれを窯(や)いて素焼にした。この素焼の文字盤を甕(みか)と云う。武甕槌である。甕に書き現わした神の原理を示した文字を甕神(御鏡)と云う。「八咫鏡は神書なり」(『徒然草諸抄大成』)とある。
言霊百神│種智⑳
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