言霊百神│黄泉国⑧

ここ(爾)に伊邪那美命(の)白(答白)したまはく、
悔しきかも(哉)、速く来まさずて、
吾は黄泉戸喫し(為)つ
夫神が折角迎えに来て呉れたけれども、来ることが遅かったから、伊邪那美命は既に黄泉国の食べものを食べてしまった。すなわち高天原の整理された麻邇ではなく、外国の不完全な言語や文字の学問を学んでしまったと云うことで、この事はイヴが蛇に誘惑されて智慧の樹の実を食ったと云う「創世記」の記事と同じ意味のものである。「創世記」ではイヴに誘われてアダムもまた智慧に樹の実を食ったが、伊邪那岐命はアダムの様に黄泉戸喫いをしなかった。黄泉国の学問は妻神に任せて、彼自身は間もなく高天原に帰って、エデンの園であるその高天原を完成し経営しなければならなかったからである。この両者の経緯の相違のうちに天孫民族(日本)と神選民族(ユダヤ)の天職の相違を観取しなければならぬ。