言霊百神│黄泉国㉙

伊邪那岐命は追い詰められた揚句、この三つの麻邇の範疇、すなわち百(桃)の言霊の稜威を示したところ、黄泉国の思想的軍勢は此処にはじめてその道理の素晴らしさに驚いて悉く逃げ帰った。

ここ(爾)に伊邪那岐命、桃子に告りたまはく
汝(、)吾を助けしがごと(如)く、葦原中国に有らゆる(所有)現(うつ) しき青人草の、
苦き瀬(苦瀬)に落ちて、苦し(患愡)まむ時に(、)助けてよと告りたまひて、
意富加牟豆美命(おほかむづみのみこと)と云(号)ふ名を賜ひき
そこで伊邪那岐命は桃子に斯う迎言った。将来吾が高天原の国日の本に住む人々が、黄泉国の思想にかぶれ、虜となり、或いは追詰められて、みずから還える道を失なって苦しんだ時、今お前が私を助けた如くに助けてやって呉れよ。