然しその高天原の結界の外に於ては黄泉国の渾沌が元のままの状態で蠢き、ざわめき、ひしめいている。すなわち其処には嘗て伊邪那岐命が経験して来た物事、見聞きした主義思想、出会った人物の魂等々の内容が依然として雑然未整理のままに堆積している。
そこで改めてその未整理経験の一つ一つを取り上げて、生命の自覚の麻邇の体系に結び付けて理解し、整理し、その意義と価値すなわち時処位を決定し、世界の諸相を有機的生命的に総合、調和、摂取して行くのである。
言霊百神│禊祓(一)⑤
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