この原始的なひとりあんまから枝分かれして、あんまが治療法として確立していった年代ははっきりしませんが、少なくともいまから三千年以上前に初歩的あんま療法がはじまっていたことは、殷の遺跡の象形文字によって明らかになっています。
その後、あんま療法はますます盛んになり、中国の社会にしっかり根を下ろしていったようです。魏の時代(二二〇〜二六五)には皇帝のための医院にあんま科が設けられ、唐の時代(六一八〜九〇七)には、医者を養成する専門学校であんまを教えていたくらいなのですから…
現在、あんま療法にはざっと数えても四〇〇種類以上の手法があり、医者は患者の症状に合わせてそれらの手法を組み合わせて治療をしているのですが、あんま療法がはじまった黎明期には、まだそうたくさんの手法は開発されていませんでした。
古代から残っている手法に、按法(押す手法)、魔法(患部に植物油を塗ってなでる手法)、揉法(もむ手法)、推法(押し動かす手法)などがあります。按摩という名前は按法と魔法という二つの手法の名前からきているのです。現在の中国では、あんまとは呼ばず、「推拿法」を正式名称としていますが、これも錐法と拿法(つかんでもち上げる手法)という手法から由来したものです。
中国秘伝ひとりあんま気功②
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