医療

古歩道│黒幕は医薬品業界④

しかし、現実は残酷だ。フェイズ1、フェイズ2の臨床実験は「治療」が目的ではない。単に「薬の使い方」のマニュアルを作っているだけなのだ。 人間に使って効果があるかどうかは建前にすぎない。フェイズ1の実験目的は薬量の適正値を…

古歩道│黒幕は医薬品業界③

アメリカでは救急車で運ばれてきた患者は必ず治療するという法律があって、ドラマでお馴染みの「ER」(エマージェンシー・レスキュー/救急外来)では治療を受けられる。しかし、「応急的な処置」が終われば治療途中だろうが病院から追…

古歩道│黒幕は医薬品業界②

 21世紀現在、アメリカ産業界で、国際競争力を持つ工業製品は何か、と問えば、軍需やIT関連をイメージする人が多いだろう。しかし世界を圧倒している意味でいうならば、医薬品が断トツなのである。  そのシンボルが世界最大の製薬…

古歩道│黒幕は医薬品業界①

いったん、話を整理しよう。 アメリカの医療システムは1950年代ぐらいまでは、きちんと「人を救う」ことが前提に制度設計されていた。国民皆保険制度こそなかったが、企業や各種団体の健康保険制度は充実しており、好景気に湧いてい…

古歩道│死の商人大手病院②

「死の商人」となった2つの大手病院チェーン② HCAもテネットに負けてはいなかった。ピーク時の2005年には売上2兆2000億円と、テネットを凌ぐ巨大チェーンとなったHCAの問題は、設立した当初、評判も悪くなく、むしろ、…

古歩道│死の商人大手病院①

「死の商人」となった2つの大手病院チェーン① いい例がアメリカ最大の病院チェーンだった「テネット」と「HCA]である。 2002年、テネット社は売上額1兆7000億円、利益1200億円、全米屈指の病院チェーンとなった。こ…

古歩道│医者の「言い値」医療

アメリカの医療は事実上、医者の「言い値」 本来、アメリカの医療体制は、ここまで酷くはなかった。それが「医療訴訟」という伝染病に罹った結果、アメリカの医療体制は「重病患者」となった。病気で身体がボロボロになってやせ衰えるよ…

古歩道│医療訴訟が医療変質②

医療訴訟が「金を毟りとる医療」へと変質させた② これに「防衛医療」と「過剰医療」が追い打ちをかけた。 防衛医療とは、医者が裁判で負けないことだけを考えて治療すること。極端な話、盲腸(虫垂炎)の簡単な手術ですら「術後の傷の…

古歩道│医療訴訟が医療変質①

医療訴訟が「金を毟りとる医療」へと変質させた① 最初に述べておくが、1950年代ごろまでアメリカの医療制度は、超大国アメリカに相応しく世界最高の医療体制を誇っていた。現在と違い、当時は別に人を殺す「悪魔の医療体制」ではな…

古歩道│マネーに換える錬金術

アメリカの医療技術は世界一、といわれている。技術だけ見れば確かにそうだろう。 実際、日本の医療ドラマでは「アメリカ帰りの医者」=「凄腕」というのが定番、テンプレになっていると、医療ドラママニアの本書担当編集氏も証言してい…
2024年4月
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